FMトランスミッタ6.2号機 半分デジタル半分アナログ機


せっかくフルデジタルトランスミッタが出来たのに 何でいまさらアナログ機?‥いや、いろいろと事情が(ry





○ 事の発端から‥
  blogにも書きましたが、FMトランスミッタ7号機が出来上がって間もない頃、何となく思い付きで↓の実験をしてみました。
 それは、FMトランスミッタ7号機(フルデジタル)とFMトランスミッタ6.1号機(アナログ)をラジオで聞き比べをすると
 どれ位違うのだろうか‥と。それも普通のラジオで聞いた場合ではという条件付で。

 とりあえず、FMトランスミッタ7号機(デジタル機)と6.1号機(アナログ)機を用意して2台とも違う周波数に設定してすばやく
 聞き比べをして違いを探ってみました↓の写真は実験風景 下の段は7号機、上の段は6.1号機


 そしてFMラジオとしてポケットラジオ(SRF-SX90)を用意して2つのトランスミッタの周波数をメモリーして聞き比べをしました。



 そして結果は_/ ̄|○ il||li よく分からん。 被験者の耳が年のせいで腐っている(14KHz以上が良く聞こえない)とか
 ダイソーのピコピコハンマーイヤホン(525円)を使っているのであまり低音が出ていないとかいろいろ考えられますが、一般のFM聴取環境を考えると
 このレベルではないかと。




 トランスミッタ自体の性能はというとS/Nで比較すると↓のグラフ位違う。
 測定条件: L+R 100% 音声入力 KT-1100Dで受信した波形を解析

 6.1号機(アナログ機)のS/N特性 低音域のSNの悪さはPLLの微調整のよって発生しています。




 7号機(デジタル機)のS/N特性 6.1号機と比べ1KHz付近で15dB程度S/Nが良い。



 上記のS/Nの違いの他にも顕著な違いとして、19KHzパイロット信号妨害防止するために入れている入力音声LPFの-3dBカットオフ周波数が
 7号機は16KHz、6.1号機は13.5KHzという高音の伸びの違いもあります。

 もちろんこれらの特性の違いはKT-1100Dなどのそれなりのチューナーで聞くとはっきりとした音質の差となって聞こえますが‥ ポケットラジオでは‥‥_/ ̄|○ il||li
 という事なのでしょう。KT-1100Dでもアンテナの入力レベルが小さくし悪条件下にすればS/Nが悪化し、デジタル機でもアナログ機でも聴感上の差は
 殆ど無くなります。



‥‥で、すごく前置きが長くなりましたが、せっかくフルデジタル化しましたが、全部デジタルにしなくてもいいんじゃね(笑)、 普通に聞く分には分からないし‥
と考え、部分的にデジタル化してみようかと思いました。
今回音声入力からMPX生成までデジタル化してFM変調(リアクタンス変調)からアンテナ出力までアナログのままにしてみます。


○トランスミッタいろいろ比較
方式 セパレーション S/N THDやTHD+N 変調+周波数安定機構 FM電波スプリアス 作成難易度
全アナログ ○40〜60dB ×発振器のSSB雑音とか‥ ○BA1415で0.05%位 △リアクタンス変調+PLL
(低音セパレーション悪化)
◎高調波以外ない ◎(専用ICで容易)
半デジタル ? どれが支配的か検証? ×発振器のSSB雑音とか‥ ○発振器次第? △リアクタンス変調+PLL
(低音セパレーション悪化)
◎高調波以外ない‥はず ? ↑と↓の中間?
全デジタル ◎演算精度次第 16bitで約73dB ◎DDSの信号源次第
ルビジウムとかorz
◎DDSの周波数分解能次第 ◎DDSなので非常に安定+高速 ×FM帯域内ノイズ多
外部フィルタで削る
×部品多すぎ

FMトランスミッタ7号機を作るときにも使った比較表に今までのトランスミッタと今回作る半デジタルトランスミッタを並べてみました。


まず、セパレーションは‥全アナログ機よりは出ると思います。アナログ特有のパイロット信号の位相ずれやL+RとL-Rのレベル偏差が発生しにくい分
有利になると思います。ただし、送信周波数可変機構にPLLを使っているのでPLLに起因する低音のセパレーション悪化は発生します。
出来るだけ防ぎたいなぁ(遠い目)

S/Nは発振回路のQが支配的な為‥たぶんフルアナログ機とたいして変わらないと思います。

THDやTHD/Nは発振回路のQが支配的ですが、アナログ機のように大量のOPAMPを使用しないのでその分だけTHDやTHD+Nは減ると思います。‥少しだけど

変調+周波数安定機構は全アナログ機と全く変わらず

高周波スプリアスは全アナログ機と同じ発振機構を使っているのでFM電波の高調波以外出ないと思います。デジタル系のノイズが混入しなければの話ですが

作成難易度はブルデジタル機以下でフルアナログ機以上の予定‥思ったより手こずるかも。



長い前振りはさておき、試作品を作っていろいろ様子を見てみました。
その1(失敗作)
その2(良くも悪くもいろいろ)

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