発振源検討(AMステレオ版)


AMステレオ送信機を作り始めの頃、ある壁にぶつかり検証の為に1台別方式のトランスミッタを作るほど重大な問題が起きていました。

その問題というのは発振器の位相ノイズの事なのですが、当時AMトランスミッタ2号機を作った際、AMラジオでステレオ受信すると
「ゴー〜〜〜」という土管の中を水がすごい勢いで流れるような雑音が常時聞こえてきました(笑)

↓がの音声を受信して復調したFFT画像 1KHz 100%変調時 受信機はMC13020の標準回路を使用しています。





↓が音声無入力時 上の画像と比較してRMSの値でS/Nを比較すると 20でしって? え!?
A特のフィルターを掛けるとノイズが低音側によっているおかげで30dBありますが‥それにしてもひどい




ちなみに、モノラル時は↓の通り 1KHz 100%変調時




モノラルとステレオを比較すると↓のように全然違います。




モノラルの無入力時は↓ 帯域50Hz〜7.5KHzに制限するとRMS値は-99.79dBになります。
‥モノラル時でS/Nを比較すると-23.25-(-99.79)=76.54dB え!? AM放送って本気出せばS/Nは相当良いんですね。




て本題ですが、幾らAMステレオのS/Nが悪いといっても、このレベルだと誰でもすぐに気がつきます。 ひどい
結局AMトランスミッタ3号機を作り、そちらは水晶発振器を使用した信号純度の高い発信源だったので
殆ど位相ノイズ音は聞こえませんでした。
そして、久しぶりにAMトランスミッタ2号機の音を聞いてみた時、今だったらもうちょっとSSB雑音の小さい
発振器も作れそうだし、発振器部分でも作り直してみるかなと考え、いや その前にFM変調とSSB雑音の関係を以前求めたように
今回もAMステレオ版で音声のS/NとSSB雑音特性の関係を求めてみようと画策しました




↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓   結果  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


FMトランスミッタとSSB雑音の関係の時のように計算しまくっても良いのですが、結論到達まで長すぎるので
今回は結果のグラフだけ記載します。



答えの導出はここで記載する予定。

‥FMと違ってAMステレオは位相変調なので、FMの変調指数に相当する値が入力音声レベルにのみ比例し、入力周波数には関係しないので
上記のグラフのように一定の値になります。

AMトランスミッタは周波数が低いのでSSB雑音も大して問題にならないだろうと思ったら大間違い。
というか甘く見てorzになったのは自分ですが(笑)
例えばAMトランスミッタ4号機でも使用して、一般に短波帯DDSとして良く使われるAD9834のSSB雑音特性は↓のようになります。



AMステレオ送信機をスーパーへテロの構成にして、送信周波数を可変できる構造ににすると AD9834の出力は6MHz程度の値になります。
なので上記SSB雑音特性は上記グラフより10dB程度悪化します。
先のグラフに重ね書きすると



斜めに入った線がAD9834のSSB雑音特性です。オフセット100Hz付近でS/N45dB‥つまり復調した音声100Hz付近はS/N45dB相当という事になります。
‥下手すると「ゴー〜〜〜」て復調音が聞こえるんじゃね?

AMって本気出すとS/N70dB位はありそうなので、AMステレオでS/N70dB出すには100Hz付近でSSB雑音-115dB/√Hz位は必要なようです。






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